本を読みまして。
図書館からお借りした「大地の子」、しばらく他の本を読んでいたので読むのが遅れましたが、読み始めると一気に読んでしまいました。※1巻から3巻までは図書館へ返却済み、写真は4巻です。
ご存知の方も多いかと思いますが、昔、同名のドラマがNHKで放映されていました。
母がこのドラマが大好きで、このドラマをきっかけに、上川隆也さんの大ファンになり、今でも新聞のテレビ欄に上川隆也さんの名前を見つけると番組をみるために、その時間に合わせて生活リズムを変えるほどです(笑)※ちなみに母は韓流ドラマファンでもあり、ドラマの内容、韓流の俳優の名前や代表作までとても詳しく、86歳とは思えぬ記憶力で驚きます。母を見ていると「推し」の存在がどれほど人を活性化させるか、しみじみ実感します😊
この「大地の子」ドラマがあまりに素晴らしく、いまだに時々YouTubeで感動シーンを探すことがあるのですが、原作は文庫で4巻あり、なかなか手が出ませんでした。時間のあるこの機会にと思い、読んでみた次第です。
巻頭から辛いシーンで始まりますが、読み出すと止まりません。戦後の日本、日本と中国、中国残留孤児と、重たいテーマが主軸ですが、ドキュメンタリー要素とドラマチックな展開とで、難しく考える事なく読み進めつつ、徐々に心に重く深く残ってきます。
それぞれの国が国民にどんな事をしたのか、その罪、罪から目を逸らすことの更なる罪深さ、そしてそれらを知った後に、あなたはどう考えるのか、と問われているような気がします。
また、ダークで重く敬遠しがちな内容をどんな人にも読ませてしまう、山崎豊子ってやっぱり凄いんだな、と思いました。
ラストは静かで深い感動があります。
どんな理由があっても戦争は悪であり、絶対に選んではいけないこと、と改めて強く、思いました。